米雇用統計にはびっくり みんな油断してたのかな

最近やや影響力の落ちていた米雇用統計の結果が大きく相場を動かした。

 

米5月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比3.8万人増加と予想の15.8万人増加を大きく下回った。前月分も16万人増加から12.3万人増加に下方修正された。3~5月の平均は11.6万人増加となり、1~3月期の19.6万人から大きく落ち込んだ。昨年10~12月期は28.2万人だったことを考えれば、これがクリスマス商戦の特殊要因だったことを考慮に入れたとしても米雇用状況が大きく鈍化した。

 

雇用者の内訳は民間就労者が2.5万人増加となり予想の15万人増加を大きく下回った。前月分も17.1万人から13万人増加に下方修正された。
失業率は4.7%と前月の4.9%から低下し2007年11月以来とリーマンショック前のレベルに低下した。
失業者数は48.4万人減少と前月の4.6万人増加から大幅に減少、雇用者数は2.6万人増加と前月の31.6万人減少から小幅に増加した。
また労働人口が45.8万人減少となったことも失業率を押し下げた。しかし労働人口の減少は労働参加率の減少という形になった。
労働参加率は62.6%となり前月の62.8%から低下した。これは1977年9月以来の低水準だった62.4%に近づいた。

 

経済的理由からのパートタイムとなっている人も含めたU6失業率(不完全失業率)は9.7%となり2008年5月以来の低水準となっている。
失業期間の中央値は10.7週となり、4月の11.4週から短くなった。
平均失業期間は26.7週となり前月の27.7週から短くなり、長期失業期間とみなされる27週以上の失業者の割合が25.1%と前月の25.7%から低下し2009年3月以来の低水準となった。

 

平均時給は前月比0.2%上昇で25.54ドルとなり予想と一致した。前月分の0.4%(0.3%から上方修正)からは鈍化した。
しかし前年比で見ると2.5%の上昇となり4月と一致し2009年7月以来の高水準となった。

 

今回の雇用統計は、米通信大手ベライゾン・コミュニケーションが4月からストライキを行い、この分が35000人減少すると予想されていた。
この分は6月1日に復帰したので6月分の増加要因になる。

 

しかしこれを含めても非農業部門雇用者数の減少が大きすぎる。製造業と建設業の落ち込みが大きかった。

 

弱い数字に対しては悲観的な見方が広がりCMEのFEDWATCHでは6月利上げの織込み度が3.8%とほぼゼロに、7月分も前日分の59%から31.3%に低下した。

 

長期間続いた雇用の回復がさすがにピークを打ったのか。あるいは今年2~3月は天候が穏やかだったことで伸びが衰えなかった分の反動が出たのではないかという説もある。

 

WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)紙の著名Fedワッチャーのヒルゼンラス記者は6月の利上げは後退したが7月がまだ視野の中という記事を書いた。今後7月に利上げが行われるのかどうかは米国指標及びFed高官、地区連銀総裁などの発言への注目がますます高まろう。

 

 


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